会社の活動は財務諸表でどう表されるか
例1
自分で10万円を出資した。8万円で商品を仕入れた。その商品を10万円で販売し、現金10万円を得た。
・資本金(自己資金)10万円
・仕入8万円
・売上10万円
・現金回収10万円
貸借対照表 | | 損益計算書 |
現金 | 12万円 | 資本金 | 10万円 | | 売上 | 10万円 |
利益剰余金 | 2万円 | | 売上原価仕入 | 8万円 |
資産計 | 12万円 | 資本負債計 | 12万円 | | 利益 | 2万円 |
例2
自分で100万円を出資し、銀行から100万円を借りた。まず中古車を20万円で購入。商品を160万円(100個)分仕入れた。販売経費(ガソリン、通信費、給与)に50万円かかった。商品は年間90個を225万円で売った。銀行に20万円返済。
・資本金(自己資金) 100万円
・借入金 100万円
・車両購入20万円
・仕入金額 160万円(100個)
・売上 225万円(90個)
・販売経費 50万円 ガソリン10万円
・通信費10万円 給与30万円
・減価償却費 4万円 20万円÷耐用年数5年(定額、定率)
・借入返済 20万円 商品在庫 16万円
貸借対照表 | | 損益計算書 |
現金 | 10万円 | 借入金 | 80万円 | | 売上 | | 225万円 |
預金 | 165万円 | 資本金 | 100万円 | | 仕入 | | 160万円 |
商品 | 16万円 | 利益剰余金 | 27万円 | | 期末棚卸 | | 16万円 |
車両 | 16万円 | | | | 売上原価(仕入-棚卸し) | 144万円 |
資産計 | 207万円 | 資本負債計 | 207万円 | | 売上総利益 | 81万円 |
| | 販売経費 | | 50万円 |
| 減価償却費(車両) | | 4万円 |
| 経費計 | | 54万円 |
| 経常利益 | | 27万円 |
※実際にお金が動かない「減価償却」も表される。棚卸は在庫増の場合:売上原価減→売上総利益増。在庫減の場合:売上原価増→売上総利益減になる。
取引と財務諸表との関係
決算書は「会社の活動(取引)」を「複式簿記」(会計)という言語で表したもの。
複式簿記とは(会計講座ではないので簡単に)
単式簿記=収支だけを記録→家計簿
複式簿記=収支と資産、負債の増減を記録→企業会計
◆取引→複式簿記 → 資産・負債の増減 → 貸借対照表
→ 収入・費用の計上 → 損益計算書
◆決算書の「貸借対照表」「損益計算書」は1 年間の何百何万の取引の「重ね合わせ」
取引と貸借対照表、損益計算書の関係
取引内容 | 増減 | 貸借対照表 | 損益計算書 |
資本 | 増 | 資本+ 預金+ | |
借入金 | 増 | 借入金+ 預金+ | |
減 | 借入金― 預金― |
売上(掛) | | 売掛金+ | 売上高+ |
売上回収 | | 売掛金― 預金+ | |
仕入経費(掛) | | 買掛金+ | 経費+ |
仕入経費支払(掛) | | 買掛金― 預金― | |
仕入経費(掛外) | | 現金・預金― | 経費+ |
設備投資 | | 固定資産+ 預金― | |
減価償却 | | 固定資産- | 経費+ |
※貸借貸借表は1年間の資産負債のプラスとマイナスを累積記録し、最後の結果が表示される。
損益計算書の科目はプラス(発生だけ)する、1年間の累積だけが表示される。地方公共団体、県や市町村はいまでも単式簿記のところがある。