マイナンバー Q&A
Q1マイナンバーとは?
マイナンバー(個人番号)とは、住民票を持ってい るすべての国民と外国人に、1人1つ割り与えられる 12桁の固有の番号。「税」「社会保障」「災害対策」の分 野で利用されることになっている。税務署や年金機構、 自治体など様々な機関に存在している個人情報を効率 的に確認・利用するために活用される。政府は「公正、 公平な社会の実現」を目的と説明しているが、徴税強 化、社会保障の受給抑制、プライバシー保護などでつ よい懸念が各分野で表明されている。
Q2 外国でも同様の制度があると 政府は言うが ?
アメリカや韓国など似たような制度を持つ国はあ る。アメリカでは「社会保障番号」が社会保障、税金 などの分野で利用されているが、実質、身分証明書と しても使用されている。クレジットカードの発行や ローンを組む際にも使われることから、成りすましな どの悪用が多く、08年から10年の3年間で被害は 1兆7千億円にのぼるといわれている。
Q3 外国人の従業員にも マイナンバーは発行される ?
マイナンバーの対象となるのは、住民票コードが住 民票に記載されている日本国籍を有する者および、中 長期在留者(3 ヶ月以上)と特別永住者等の外国人。 外国籍でもこれに当てはまっていればマイナンバーは 発行される。
Q4 マイナンバー(個人番号) カードとは ?
マイナンバーカードは、通知カードとともに送付さ れる申請書を市町村に郵送すると、平成28年1月以降、 交付を受けることができるカード(プラスチック製)。 IC チップが内蔵され、表面に氏名、住所、生年月日、 性別と顔写真、裏面にマイナンバーを記載する。本人 確認のための身分証明書として使用できるほか、印鑑 登録証など自治体等が条例で定めるサービスに利用で き、また e-Tax 等の電子申請等が行える電子証明書も 標準搭載される。
Q5 マイナンバーカードは 無期限に使えるのか ?
20歳以上の場合は10年、20歳未満の場合は5年で更 新される。
Q6 雇用時にマイナンバーは 必須か?
来年1月以降、雇用保険では本人のマイナンバーを 資格取得届に記載する必要があり、また来年1月以降 支払われる給与に関して、源泉所得税の扶養控除(異 動)申告書などで本人と配偶者、扶養家族のマイナン バーが必要になる。社会保険に関しては平成29年の1 月からだ。雇い入れ時にマイナンバーの確認できる書 類と本人の身元が確認できる書類の双方が必要だ。ただし、 提出を強制することはできないし、提出しないからといって 罰則はない。
Q7 マイナンバー(個人番号)の 確認できる書類とは?
①マイナンバーカード、②通知カード、③住民票(マ イナンバー記載)、住民票記載事項証明書(マイナン バー記載)だ。以前その会社に勤めていてマイナンバー の記録が残っている場合はそれを使ってもよい。
Q8 身元確認のための書類とは?
①マイナンバーカード、②運転免許証、パスポート、 官公庁の発行する写真のついた証明書、③ ①②が無い 場合は健康保険証、年金手帳、児童扶養手当証書、特 別児童手当証書の2つ以上の書類が必要。
Q9 すでに在籍している 社員の場合は?
すでに在籍している社員については身元確認は原則 的に省略できる。ただ、マイナンバー(個人番号)の 確認は必要なので、Q7の書類の提示をしてもらう必要 がある。すくなくとも年末調整までにはマイナンバー を集める必要がある。
Q10 社員からマイナンバーの 提示を拒否されたら?
政府の指針では①説得する、②拒否されたことを記 録し、義務違反でないことを証明する、③提出機関と 相談する、となっている。マイナンバーの提示拒否に 罰則はなく、国税局の Q&A では「個人番号の記載がない ことをもって、税務署が書類を受理しないということ はありません」としていおり、マイナンバーを記載しなくても手続き等をおこなうことは可能だ。
Q11 会社が問われる 「安全管理措置」とは何か?
マイナンバーの漏えい防止が目的で、①組織的安全 措置、マイナンバーを取り扱う組織体制、責任の所在 や取扱の規程などをきめること。②人的安全管理、マ イナンバーを取り扱う担当者とその監督、教育などを 決めること。③物理的安全管理措置、マイナンバーを 取り扱う上での場所や保管方法、廃棄のための方法を 決めること。④技術的安全管理措置、パソコン等への アクセスの制限などセキュリティ対策をきめること。 の4つに区分されている。具体的には、マイナンバー を取り扱う者を決め、保管は厳重にし、廃棄は復元不 可能な方法で行うこと。数が少ない場合は紙で管理し てもいいが、多くなればパソコンでの管理が必要にな り、アクセス管理、暗号化など費用は格段に増えるこ とになる。
2015年10月