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2014/10/20

景気、中小企業を直撃する消費税増税

Tweet ThisSend to Facebook | by kawahara
景気、中小企業を直撃する消費税増税

増税で景気後退鮮明

 消費税が 8%に引き上げられた 4 月以降、4・5・6 の 3ヶ月間のGDPは年率換算で ▲7.1%になりました。内訳でみると個人消費が▲5.1%、設備投資は▲ 5.1%、住宅投資は▲ 10.4%と大幅な落ち込みでした。なかでも消費の減少は大きく、消費動向を敏感に反映するとさ れる総務省の家計調査「2 人以上の世帯消費支出 (実質)」は前年同月比で4月▲ 6.6%、5月 ▲ 8.0%、6 月▲ 3.0%ときわめて大きな落ち込みとなっており、前回1997年の消費税増税 時を上回るものになっています。
 設備投資も動きは弱く、機械受注(電力・船舶を除く)は 4・5・6 月期で前期比▲ 10.4%と 大幅に減少しました。消費の低下にともなって在庫が積み上がり、自動車メーカーの一部は減産 しています。
 消費の大幅な落ち込みの主な要因は所得の減少です。勤労所帯(2 人以上世帯)の実収入は物 価を加味した実質で前年同月比 4 月▲ 7.1%、5 月▲4.6%、6 月▲ 6.2%と減少の一途をたど っています。収入が増えない、むしろ減少しているなかでは消費が増えないのは当然です。
 政府や日銀は 4 月の増税以後も「増税による反動減はあるものの景気は緩やかに回復」といって いますが、「はっきりと後退局面に入った」という声が各シンクタンク、エコノミストなどから出 ています。

ひずみ拡大するアベノミクス

 アベノミクスの「円安・株高」は輸出中心の大企業には大きな利益をもたらしました。しか し、中小企業とりわけ零細企業はその恩恵にあずかることはありません。「輸出が増えれば大企業 が潤い、その『果実』が中小企業や従業員に回ってくる」というアベノミクスのもくろみは、ほぼ 破綻したといえます。先にふれた実質収入の減少がその証明です。
 「円高だから」と大企業はこれまで下請企業に対して強制ともいえる単価引き下げを幾度もせま ってきました。それは「乾いたぞうきんをしぼる」という表現がまさにピッタリでしす。しかし、 円安になったいまも大多数の中小企業の下請け単価は、依然として引き上げられることはありませ ん。
 中小企業に働く労働者は、労働者全体の 7 割を占めます。日本経済の大部分に恩恵の及ばない経 済政策、格差を拡大し、大多数を犠牲に一部の大企業を優遇するようなやり方がいまの経済的困難 をまねいています。

10%への増税中止を

 消費税増税の背景には、グローバル化、海外進出で大企業から税金が取りにくくなっていると いう現実があります。そのため「広く薄く」課税できる消費税を増やし、法人税を減税するという 方針を政府は打ち出しています。しかしそれは「富の偏在」をますますひどくし、日本経済の困難 をもたらす道です。今必要なことは、消費税の 10%への増税をやめ、大多数の国民が豊かになる経 済政策、応能負担の原則にもとづいた税制の実現です。
 中小企業の経営と国民生活をまもるため、そして日本経済の真の活性化のため、消費税増税を止 めさせましょう。署名運動で、街頭宣伝で、チラシをまいて、国民的運動を強めましょう。

(2014/10)


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