「関中協」500号によせて
会報「関中協」が500号を迎えました。これだけ長く続けてこれたのは、会の活動を支えてくれた会員皆様の協力と歴代の事務局員の努力があったからにほかなりません。
今年の総会の特別決議は「原点をふりかえり関中協運動のさらなる発展を」というものでした。なぜいま「原点」なのか。関中協には戦後の混乱期の中で「町工場にも電力を」、 「過酷な徴税に反対する」という運動の先頭に立って、中小・零細企業の営業と生活をまもってきた歴史があります。そうした中で「中小企業を日本経済の主役に」という理念を生み だしてきました。
それから約70年、円高やバブル崩壊など幾多の困難をくぐりぬけ、多くの会員は力強く、あるいはしたたかに、事業をつづけてきました。しかし、残念ながら理念の実現にはほど 遠く、むしろ企業間格差は拡大し、大企業が膨大な利益をあげる一方で、中小企業の困難は増しています。
21世紀、私たちは高齢化、人口減少、地域経済の疲弊など深刻な問題に直面しています。「中小企業を日本経済の主役に」という理念の実現こそ、日本経済再生の道です。
500号、ここに掲載された膨大な記録は、関中協と会員の皆様が歩んできた歴史であり、理念の実現のために苦闘してきた軌跡です。その「軌跡」をふり返り、未来への決意を新 たにしたいと考えます。
関西中小工業協議会 事務局長 川原 徹
(2014/8)