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2016/01/16

2015年 営業実態アンケート調査

Tweet ThisSend to Facebook | by kawahara

2015年 営業実態アンケート調査


 昨年10 ~ 12月に会員を対象に実施した「2015年営業実態アンケート」では、2014年と今回の2回にわたって消費税増税の影響について質問をお こないました。また、マイナンバー制度の導入が今年1月から始まり、その対応などについての設問を設けました。

消費税増税の影響依然として深刻

 2014年のアンケートでは消費税の8%への増税後、34%が売上の減少、77%がコストの上昇というかたちで影響があったと答えましたが、今回の 調査では「影響が大きかった」「影響が少しはあった」があわせて61.2%あり、依然としてそうした状況が続いていることがうかがえます。業種的 には「卸・小売」「料理・飲食」がもっとも影響をうけており、つづいて「建築・土木」「製造」という順になっています。
 影響の内容については、「利益の減少」(25.8% ) が最も多く、つづいて「売上減少」(19.6% )「納税金額増加」(18.5% )「コスト増加 」(13.4% )となっています。
 消費税増税の影響については多くのエコノミストが「消費を冷やし景気を悪化させる」と指摘しています。それに加えて中小、零細企業にとっ ては、価格決定力のある発注企業との取引環境の悪化や消費税転嫁の不充分さから利益の減少をもたらすことは明らかであり、その影響は長期にわ たることが今回のアンケートから読み取ることができます。来年4月には消費税の10%への増税が予定されていますが、この増税がさらに会員の経 営に悪影響をもたらすことは確実です。

マイナンバーへの「理解」すすまず

 マイナンバー制度に対する「理解」については「よく分かっている」が3%、「ある程度分かっている」が27%、「あまり分かっていない」 が37%、「ほとんど分からない」が33%と理解がほとんど進んでいない実態が浮き彫りになりました。これは政府の「周知徹底」が不十分であると いう面はありますが、むしろ「なんのために必要なのか」「なぜ会社がマイナンバーの収集・管理をしなければならないのか」という基本的な疑問 があるからと思われます。理解度」を従事員数の規模別に見ると規模が「小さい」ほど「分からない」が増える傾向にあります。
 マイナンバーへの対応や準備については、「準備している」3.2%、「準備を計画している」20.6%、「なにもしていない」74.6%と「理解」と 同様の傾向がでています。また、マイナンバー制度に対する「懸念」については、「個人情報の漏えい」がもっとも多く、「システムなど専門知識 がない」「社会保険などの加入問題」「コスト増」とつづいています。

売上、利益ともに昨年と同水準

 売上については前年同期比(7月~9月)で「増えている」と答えた事業所は17.2% でした。「横ばい」35.9%、「減っている」46.9%でし た。2014年のアンケートでは「増えている」が15.8% 、「横ばい」が39.5% 、「減っている 」 が44.7% で「 増えている」が微増、「横 ばい」と「減っている」が微減という結果となりました。売上を業種別に見ると売上増が最も多いのが「卸・小売」で、売上減が多いのは「サービ ス」、「料理・飲食」となっています。
 利益については前年同期比(7月~9月)で「増えている」が12.5% 、「横ばい」が37.5% 、「減っている」が50%でした。売上と同様前回と ほぼ同じ結果となりました。

3年連続で停滞傾向

 売上 DI の推移をみると今回はマイナス30で3年連続で同じ水準となりました。リーマンショックの影響の大きかった2009年にマイナス82を底 に2010年、201年、2012年と改善傾向にありましたが、2013年以降は3年間はマイナス30前後でほぼ停滞傾向にあるといえます。政府・日銀は リーマンショック以降「景気はゆるやかに回復している」「景気は上向き」という見解を続けてきました。しかし、DI の傾向をみるかぎり、政府 のいう回復傾向は会員の状況からは読み取ることはできません。

2016年1月


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