介護保険制度改正の問題について
平成27年は3年に1度の介護保険料改定の年にあたります。保険料引き上げの今年、変わる介護保険制度について問題を見てみましょう。
主に4つの改正がありました
1 つめは介護報酬が 2.27%引き下げられました。このことが概ね特別養護老人ホーム(以下、特養)で6%、デイサービスで 9% ~ 20%、グループホームで 6% と軒並み減収となります。そのため、介護職員の低賃金、重労働の改善が進まず人手不足が続き介護事業困難という悪循環が生じます。その結果、施設へ入りたくても施設がないという状況を生みかねません。
2 つめは、要介護 1、要介護 2 の人が利用する訪問介護、通所介護いわゆる予防介護で、給付を受けられなくなります。これは国の介護認定者を締め出し利用者を制限して市町村での事業へ移行する方針です。しかし、市町村の 7%しか移行準備を終えていません。
3 つめは、要介護 3 以上でなければ基本として特養へ入所できなくなったことです。現在、特養待機者は 52 万人いると言われています。この内要介護1、要介護 2で特養への入所待機者は17万人います。この人たちは行くところのない介護難民となりかねません。
4 つめが介護保険料で一定の所得のある人の利用が 1 割負担から 2 割負担へと引き上げられます。社会保障充実は介護難民を防ぎ、地域の衰退を防ぐ 持続可能な介護制度のための改正だと安倍首相は質問者へ今国会で答弁しています。少子高齢化という背景もあり、国は社会保障費自然増を削減する政策を採り続けています。他方で毎年引き上げてきたのが軍事費です。今年度は 5 兆円を超えます。今回の介護制度改正は介護利用者切捨てともいえるものです。地域に施設がなくなると、地域で高齢者の定住が減少します。福祉分野での雇用も減少して住みづらいところとなり、地域の衰退へとつながります。社会保障である介護制度を充実させることは地域社会を維持する上でも大切です。
減免制度を活用しましょう
介護保険料の減免を受けられる条件は以下のとおりです。条件を満たす人は減免制度を利用しましょう。
- ①家族全員が非課税であること。
- ②世帯の年収が次の以下であること。1人世帯 150 万円、2 人世帯 198 万円、3 人世帯246 万円(以降、1 人増えるごとに 48 万円加算した金額)
- ③扶養をうけていない。
- ④自宅以外に活用できる資産を有していない。
- ⑤保険料を滞納していない。
・減免の申請時期は継続の場合 4月、5月となります。新規に申請する場合は 7 月となります。詳しくは事務局までお問い合わせください。
(2015/02)