2016年営業実態アンケート調査
売上(DI)3年ぶりに悪化
昨年11月に実施した「2016年営業実態アンケート調査」では売上、利益などの従来と同じ設問に加えて、今後の会の運営に資する目的もあり、「後継者問題」「会(関中協)」の利用や期待する活動について設問をもうけました。
売上増が半減
売上(7月~9月・昨年同期比)は「増えている」が9%、「横ばい」が43.3%、「減っている」が47.8%となりました。前回(2015年)のアンケートでは「増えている」は17.2%でしたが、今回は約半分に後退し、その分「横ばい」が増加、「減っている」は微減となりました。業種別では製造・加工業で「増えている」が21.9%から8.1に大幅に減少しました。
利益(同・昨年同期比)は「増えている」が7.5%、「横ばい」が41.8%、「減っている」が50.7%となりました。前回のアンケートでは「増えている」が12.5%でしたが、5%程度減退し、「横ばい」は約4%増加し、「減っている」は0.7%の微増と売上の傾向と同様のものとなりました。
売上DI(「増えている」割合-「減っている」割合を差し引いたもの)は-39となり前回比で9ポイントの低下、2013年以降ほぼ横ばいで推移してきましたが3年ぶりの悪化となりました。
売上、利益ともに悪化傾向が鮮明になりました。理由は消費不振、円高、人材不足などが考えられますが、政府・日銀がいう「緩やかに回復」とは「違う状況」に中小企業、とりわけ小規模企業が直面しているからにほかなりません。
後継者「いない」は67%
後継者が「いる」事業所は19.4%、「いない」は67.2%、「未定」は13.7%でした。「いない」と「未定」を合わせると、約8割の事業所で、後継者が定まっていません。同様の設問があった2012年のアンケートでは「いる」が26%、「いない」が57%、「未定」が16%でした。この時も、「いない」と「未定」を合わせると約7割の事業所で後継者のめどがたっていないという結果でした。また、後継者の有無を業種別に見たとき、サンプルの少ない「その他」をのぞき「建設・土木」が「いる」割合がやや高い結果となりました。2012年時と比べて後継者が「いる」事業所が若干減少したのは、この間に代替わり・事業承継がおこなわれ、その結果「いる」事業所が減少したためと考えられます。
後継者問題への支援では「後継者、従業員に対するものづくりや経営の教育」が一番多く、技術や経営のノウハウの継承に課題があり、そのための支援が重要だと考えていることがうかがえます。今後、会としてもこの点を重視して経営支援にとりくみたいと考えています。また、「いない」と答えた事業所では「後継者になってくれそうな人材の紹介」という選択肢が二番目に多く、後継者の確保という面で支援を求めていることが伺えました。
5年後廃業は13%
5年後はという設問に対して、「存続している」が83.3%、「廃業している」が13.6%でした。業種別では「廃業」と答えた割合が高いのが料理・飲食でした。
「存続」と回答したうち、5年後は「事業拡大」と予想したのが14.9%、「現状維持」は78.7%、「事業縮小」は6.4%でした。
また、「廃業している」という回答をした事業所の約半数が「仕事」もしくは「後継者」があれば存続する可能性があると答えています。
会在籍21年以上が6割超
今回のアンケートでは会について、「入会して何年になるか」、「利用している業務」、「期待すること」、「知ってもらうために」という4つの設問を設定しました。
まず、「入会して何年」という設問では、31年以上40.6%、21~30年20.3%、11~20年23.4%、4~10年9.4%、4年未満6.3%になりました。21年以上在籍している会員が回答の6割以上を占めました。
2つめに「利用している業務」という設問では「税務・記帳」45.7%、「労災・社会保険」43.0%と合わせて8割になりました。
「期待すること」では、「補助金・助成金による経営支援制度の活用」21.4%、「各種情報提供」27.1%、「税務・記帳・労務」25.7%となり、合わせて7割を超える結果となりました。
「関中協を知ってもらう活動」については、「会報やホームページを通じて、情報を提供する」が42.3%、「学習会、説明会を通じて説明する」が23.1%、「会員事業所へ訪問して説明する」が21.2%となりました。